インタビューシリーズ2


ササガワの「姿勢」と「想い」の歴史を知りたい
まずは歴史を集めるところから
創業131年と長い歴史を持つ当社ですが、「実際どんな歩みをしてきたのか?」をこれまで十分に発信できていませんでした。
そこでまず、会社の歴史を改めて整理することに。
とはいえ、残っている資料は限られており、分からないことも多くあります。「あの頃、現場はどんな動きをしていたのか」「どんな想いで働いていたのか」。その「空気」を知るには、実際にその時代をつくってきた「人」の記憶が必要です。
そこでこの度、ササガワ社員OBの皆さまにご協力いただき、2回に分けて座談会を開催しました。
大先輩たちと久々の再会! 座談会を開催
2日間の座談会の実施
久しぶりにお会いする大先輩方、しかも若いころにとてもお世話になった方ばかりなので、実はちょっと緊張……。
80歳を超える方もいらっしゃいましたが、皆さん本当にお元気で、和やかなムードで座談会はスタートしました。
2回の座談会では、ササガワの131年を支えてきた「現場の知恵と姿勢」が、さまざまなエピソードとともに浮かび上がってきました。
・手書き・手作業ばかりだった時代に「もっとラクにできる方法はないか」と工夫し、デジタル化やテンプレート作りに挑戦した話。
・全国を歩き回り、人との信頼関係を積み重ねて販路を広げた古い過去の営業の話。
・賞状の金色表現を紙質やインクを突き詰めて仕上げた担当者の視点。
・品質不信を乗り越えるため、機械化や仕組みづくりを進め、「絶対に誤差を出さない」を徹底してきた製造の話。
どの話にも共通していたのは、「面倒を放置しない」「より良くする工夫を続ける」「人を大切にする」「品質に妥協しない」 そんな揺るがない姿勢でした。
131年の歴史は、「人の積み重ね」でできている。改めてそう感じる時間でした。

印象に残った二つの言葉
座談会で特に心に残ったOBの言葉をご紹介します。
「こんなやり方、ずっとやり続けていくわけがない」
これは、当時の手作業だらけの現場への率直な危機感から生まれた言葉。
「もっと効率よくできるはず」という想いが、写植・PC導入・データ化・テンプレート制作といった「今につながる基盤づくり」の一歩になったそうです。
誰かが改善してくれるのを待つのではなく、自分たちで動く…会社を変えてきたのは、こうした想いだったのだと実感しました。
「結局、仕事は「人」で動く」
昔の営業では、カタログよりも「人との関係」が何より大切だったといいます。
食事をともにし、手紙を書き、約束を守る。その積み重ねが信頼となり、「この人の会社なら任せたい」と言ってもらえるようになったとのこと。
競合が増えた今でも、「誠実さは最大の武器」という言葉が胸に残りました。
歴史を貫いてきた「品質へのこだわり」
2回の座談会を通じて、最も共通して語られたのが「品質へのこだわり」でした。
賞状の金色は、紙の色、線幅のほんのわずかな違いで見え方が変わる。美しい金色を表現するために「1本の線」「1滴のインキ」にまで神経を研ぎ澄ませて商品開発していたとのこと。
金粉でプリンターが壊れるというトラブルの際も、そのままにせず、印刷方式を根本から見直し、現代主流となっているプリンター対応賞状の品質をつくり上げたという話も。
さらに、古い昔にかつて起きていたのし紙の「枚数不足」の不信をなくすために、過充填やカウントの機械化を導入し、「不足ゼロ」を実現する仕組みまで整えたそうです。
代々受け継がれてきた「品質への真剣さ」が、今のササガワを支えていることを強く感じました。
温かな歴史がつながった瞬間 OBの皆さまへの感謝状授与
座談会の最後には、座談会出席のお礼と、会社を作り上げてきた感謝の意味を込めて、OBの皆さまへサプライズで感謝状をお贈りしました。
思いがけないサプライズに驚かれつつも、賞状を手にすると笑顔がこぼれ、少し照れくさそうに受け取ってくださる姿がとても印象的でした。「まさかもう一度もらえるとは思わなかった」と目を細める方も。
感謝状の読み上げを担当した私は、大先輩を前に緊張で声を震わせながらも、一言ずつ丁寧に読み上げました。
今回は、OBの皆さまが現役だった頃にはなかった「金箔賞状」を使用。「きれいになったね」「時代は進んだね」といった声があがり、その場はあたたかな空気に包まれました。
131年の歴史をつないできた大先輩へ、今を生きる私たちからの敬意と感謝を伝えられた、特別な時間になりました。
【贈った感謝状】

【感謝状を一人ずつお渡ししました】



編集後記
今回、ササガワの歴史情報を集めるために「OBの皆さんとの座談会」を企画したのは、初めての試みでした。企画した当初は、「本当に集まっていただけるのかな…?」と正直かなり不安でした。
まずは、OBの方々とつながっている社員を探し、その方に連絡先を紹介してもらい、一人ひとりにご連絡。ご高齢の方も多くいらっしゃったので、参加が難しいのでは…と思っていたのですが、皆さんが本当に快く「行くよ」とお返事くださり、無事に実現できました。
実際にお会いして、当時のお話を「生で」聞くと、胸が熱くなる瞬間がたくさんありました。
今、当たり前のように会社が続いているのは、OBの大先輩方が、時代の中で苦労しながらも新しい価値を生み出してくださったおかげなんだと、改めて実感しました。
そのバトンを、今の私たちが未来につないでいかなくては…そんな気持ちが強く湧いてきました。
そして今回、それを「感謝状」というカタチで伝えられたこと。
賞状をお渡しする瞬間の、あのあたたかい空気を共有できたことは、賞状用紙メーカーである私たちにとっても、表彰の価値を再確認する時間になりました。感謝状って、やっぱり最高です!
ご協力いただいたOBの方々、ほんとうにありがとうございました!

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